『あの人が愛した、とっておきのスイーツレシピ』 NHK『グレーテルのかまど』制作チーム・監修



『グレーテルのかまど』は、
私の好きなテレビ番組の一つ。

社会人になって、最近はなかなか
テレビを見る事が減ってしまった。
それでもたまに、つけたテレビに
見入ってしまうことがある。
『グレーテルのかまど』は、そんな数少ない
お気に入りの番組の一つだ。

番組のナビゲーターを務める俳優の
瀬戸康史さんが、15代ヘンゼルとして
姉のグレーテルにスイーツを作る。
その設定も、番組のセットや映し方も、
どれも温かい雰囲気がありとても癒やされる。

今回はその『グレーテルのかまど』
から出来たレシピ本の、
”あの人が愛したスイーツレシピ~日本編~”
を見て行きたいと思う。

”坂本龍馬のカステラ”
カステラは、
生クリームやバターを使った
美味しい洋菓子のケーキが主流となっている
今でも、子供から大人まで
誰もが好きな和菓子。
江戸時代にポルトガルから伝来した
と言われているカステラは、
昔から作り方も材料もほぼ変わらず
数々の和菓子店の看板商品となっている。
そこで、坂本龍馬といえば
数年前に俳優・歌手の福山雅治さんが
主演の大河ドラマにもなった
歴史上の偉人。
その偉人がカステラを好み、
数々の記録にも残していると知って
和菓子を作る職人の端くれである自分も
少し誇らしい気持ちになった。
本書で紹介しているのは
坂本龍馬が食べていた時代のものよりも
現代に近づけて
はちみつや練乳を加えたもの。
それでも、黄色い卵の色と、
ふんわりした食感はきっと同じ。
幕末を駆け抜けた偉人のことを思いながら
食べてみたいひと品。

”水木しげる夫妻のぼたもち”
『いったんもめん』や『子泣きじじい』、
それに『目玉おやじ』といった
数々の妖怪の名前を知ったのは
小さい頃に見たゲゲゲの鬼太郎の
アニメからだった。
”ゲ・ゲ・ゲゲゲのゲ~”という特徴的な
歌詞をよく覚えている。
これまでに5回もテレビアニメ化された
ゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげるさん。
そして、NHKの連続テレビ小説にもなった
『ゲゲゲの女房』のモデルであり
著者である妻の布枝さん。
数々の名作を描き上げた水木しげるさん
の活力の源になったのが
妻の布枝さんが作るぼたもちだったそう。
今やぼたもち(=おはぎ)といえば
和菓子屋だけでなく、
スーパーでもオリジナルの
ものが売りだされている。
また、多くはないだろうが
家庭でその家の味を守り続けている
ところもあるだろう。
お店によって、作る人によって
餡の炊き方や米の潰し方、
大きさなどにばらつきが出やすいのが
ぼたもち。
本書ではあんこときなこの
二種類のぼたもちを紹介している。
粗めに潰されたお米と
満足感のある大きさが水木家流
なのだそうだ。
漫画家の気分になって
この大きめのぼたもちをパクリと
頬張ってみたい。

本書には今回紹介したもの以外にも、
”アメリのクレームブリュレ”や、
”ナポレオンのクレープ”
など、海外編も素敵なお菓子が揃っている。
『グレーテルのかまど』を見ながら、
ぜひ手にとってもらいたい一冊だ。

【文責 加部 さや】


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NHK『グレーテルのかまど』制作チーム・監修
大和書房


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