『スイーツ・パッケージ・デザイン 洋菓子・和菓子の美しい包み方』 リンクアップ・編



お菓子の魅力ってなんだろう。

お菓子の魅力とは三種類ある、と私は思う。
大雑把に言えばそれは”味(一部は香り)、見た目、そしてパッケージ”
の三種類だ。
味や香りは感覚に訴えるものでお菓子の最も大事な要素だし、
見た目が綺麗であったり可愛くなければ消費者の心は動かない
(たまには素朴なお菓子もあるけれど、それはそれの良さがある)。
そして1番お菓子からは遠いようでいて、一番の決め手にもなりうるのが
お菓子を包む包材=パッケージだ。

お菓子を買う時というのは、何か目的がある。
誰かのお宅に伺う時、お祝いの品に、法事などの際、
旅行のおみやげなどその目的は様々だけれど、
どれもその場にあった色合いや質感のパッケージが大事になってくる。

旅行のおみやげで思い出すのは、自分は何と言っても
鎌倉の鳩サブレーだ。
あの明るい黄色地に白い鳩のパッケージは、一度見たら
そうそう忘れないだろう。

それから東京銘菓のひよ子(p74)もあのなんとも言えない
表情のひよこが描かれたパッケージが印象的で、
あのひよこの絵と立体的なひよこ型のおまんじゅうは
切っても切れないイメージとして結びついている。

パッケージは、それに包まれたお菓子の美味しさを
より一層鮮明なものにしてくれる。
それに、観光地で販売されているお菓子のパッケージは、
旅先から帰ってからその場所のことを思い出すのにも役立つ。

最近感心した旅先のお菓子にはこんなものがあった。
この本のp88,p89にも載っている
”かりんころんのかりんとう”は、そのアイデアに驚いた。
かりんころんのお店は浅草や鎌倉などの主要な観光地にあって、
様々な味のかりんとうを包むパッケージにその土地の
名物のイラストが描かれている。
しかもそのパッケージはシールなどもきれいに剥がせるようになっていて
広げればポスターのようにして壁に貼ることもできる。
それはまるで旅先で出会った景色をそのまま
家に持ち帰ることのできるおみやげだった。

さらには食べたことのないお菓子のパッケージには
それを食べる前のワクワク感を増幅させる力もある。

p72の”たねやのオリーブ大福”の包みがとても面白い。
一見、まるで本当に野菜か果物でも入っているのではないか?
と思わせるような麻袋に似せた紙袋に、
産地直送を意味する『FRAGILE』の文字が入ったシール。
外見からはとても和菓子が入っているとは思えない。
”大福にオリーブオイル”という斬新なお菓子に
ぴったりのユニークなパッケージだ。
これはまだ食べたことがないので次は是非
このパッケージを手に取ってみたい。

このようにお菓子の魅力を高めるパッケージが、銘菓と呼ばれる
お菓子それぞれに存在する。
本書にはこの他にも全国各地のお菓子のパッケージが紹介されている。
その中にはまるで宝石箱のようなパッケージのものや、
花火玉のような入れ物に入ったお菓子もあって、パッケージから
食べてみたいと思ったものがたくさんあった。
パッケージの魅力は、知れば知るほど広がっていくようだ。

【文責 加部 さや】


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